HSPの生き方について。敏感すぎる私が考えた人生との向き合い方
こんばんは★
ちょっといろいろいろいろとありましてブログが一週間も空いてしまいました(^-^;
さて皆さんはHSPってご存知ですか?
HSPと言っても、痛んだ細胞を修復させるタンパク質「ヒートショックプロテイン」のことじゃあないんですよ。誰も思ってないか。
Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)つまり、とっても(Highly )敏感な(Sensitive)人(Person)ということです。
最近HSPに関する書籍もよく見かけるようになって、気になっている人も多いのでは?と思います。
私も、最近になってHSPというものを知りました。30数年ずっとずっと生きづらさを感じてきたけれど、ようやくHSPという性質が深く関係していたのだと気付いたのです。今回はHSPとはどんな体質を指すのか、また私がHSPだと気づいた経緯や、気づいて良かった点、HSPとの向き合い方についてお話します。生きづらいと苦しんでいる方の助けになれたら幸いです。
HSPの性質ってどんな人?
「HSP=とても敏感な人」とは、アメリカの精神分析医で学者のエレイン・アーロン博士によって1996年に提唱された概念です。
なじみのある言葉で言えば感受性が強すぎる人。もちろん病気ではなく性質です。人を男女で分けるように、とても敏感なタイプとそうでない(タフな)タイプに分けたというだけのことです。ちなみにHSPは5人に1人だそう。私はこの数字めちゃくちゃ多いじゃん!と感じたのですがどう思われますか?
HSPと一口に言っても様々な性質があるので必ず一致するというわけではありませんが、例えば下記のような傾向をもっています。
- 様々な刺激を受けやすい
人の言動や行動、音、光などあらゆるものから刺激を受けすぎる。人混みが苦手だったり、他の人が気にしないような音に神経を乱されたりする。
- 共感力が高く、他人に感情移入する
人の気持ちを敏感に察知して気が利く一方、感情移入して気疲れしたり、人の感情に振り回されてしまう。また、人の言動や行動にどのような意味が込められているかなど細かく考えてしまう。
- ものごとを深くゆっくり考える
会話や議論ですぐに反応することができない。発言前に、自分の考えはきちんとまとめられているか、かつそれが人にとってどのように受け取られるかまで考えるため。あとになって「ああいえばよかったのか」と思うことが多い。
- 一度に多くの事に対処しなければならないとき、強いストレスを感じる
ものごとを深く考えるという性質から、一度にいろいろな情報を処理しなくてはならないとキャパオーバーになる。
- 責任感が強い
場の不穏な空気を感じると、責任をとらなくてはと頑張ってしまう。自分のせいで誰かの気分が害されることは絶対に避けたいと思う。仕事も抱えこみがち。
私の場合、上記はどれもだいたい当てはまると言えるのですが、音や光には敏感なほうではありません。人混みもそれほど苦手ではありません。
一方で、匂いにはかなり敏感ですし、他人が発言したことの意味について深く探ってしまいがちです。そしてもしその発言が攻撃的な内容だった場合には「もしかして私が責められている?」などと考えてしまいます。
ずっと生きづらかった
私は昔から人の顔色をうかがうことの多い子供でした。特に、自分の意見を言う隙もないような気の強い子が大の苦手。
そして考える時間が長く行動が遅いので、皆で一斉に同じことを同じスピードでやらなくてはならない学校というものがとにかく苦痛でたまりませんでした。
また、嫌われていないか・自分は間違った発言をしていないか?と常にクラスの人間関係にも気を遣っていました。
学校でできた友人とは今でも親しく付き合っていますが、特に小学校や中学校ではほとんど楽しい思い出はありません。小学校では一時不登校でしたし。
大人になってからは、責任感の強さから仕事を任される→1人で抱え込む→プレッシャーや忙しさに耐え切れなくなり辞める、ということを繰り返してきました。そんなストレスに弱い自分が情けなくて嫌で嫌でたまりませんでした。
幼少期から、いろいろなことがうまくできない。大人になったら仕事をしなければならないのに、どうしても根をあげてしまう。
HSPの人は自己肯定感が低いケースが多いと言われますが、それはそうですよね。その他大勢の人と同じことが普通にできないのだから。
「自分はHSPだ」という気付きがもたらしたもの
自分がHSPだということは、心理療法士イルセ・サン著「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」という本を読んで確信しました。色々な方のブログで紹介されていて評価も高いので、タイトルをご存知の方も多いかもしれませんね。
こちらの本には巻頭にHSP診断のチェックリストが掲載されているのですが、結果、紛れもなくHSPでした。チェックリストを見た瞬間にわかってましたが(^-^;
書かれていることはだいたい自分に当てはまるので、すごく新しいことを発見した!知らない自分を知ることができた!なんて気持ちにはなりません。でも、この本を読み大事なことに気づかされました。
それは、この本の中ではHSPの気質を「能力」だとしている点です。
たとえば、
・ものごとを素早く考えることができない→ものごとを深く多角的に考えられる
・行動の前にあれこれ考えすぎてしまう→慎重で、危機管理能力が高い
・細かなことが気になるため心が常に慌ただしい→想像力が豊かで、内的生活が充実している
・なんでも抱え込みパンクする→誠実で、責任感がある
・人の行動や言動に振り回される→共感力が高く、気配り上手
といったように。
大嫌いな自分の性質は、見方を変えれば「能力」だったんです。
もちろん読んですぐに、「なーんだ能力だったのか!」とすんなり受け入れられたわけではありませんが。本を何度も読んで、こんな良い面がある…とセルフマインドコントロールをして、悪いことばかりじゃないんだなというところまで気持ちをもっていけました。
HSPはダメなやつではない
私は今やらせてもらっている仕事でも、完璧主義で手が抜けない・いちいち深く考えるのでスピードが出せない、という点をずっと悩んでいました。ビジネス書を読むと、完璧主義をやめて適当さをもつべし!と判を押したように書かれていますが、それはどうしてもできませんでした。
それゆえに仕事量が多くなり、一度にいろんなことをこなさなければいけない状況になると、無理に頭をフル回転させるので終わるころには強い疲労感でぐったり。作業中も、どうにか間に合わせないと!と焦りながら作業をするので心臓がバクバクしてくるのです。
こんな具合なのでプライベートを楽しむ余力は残っておらず、子供の相手もろくにできなくなってきたので、やりがいは感じるけれど限界がくるまえに辞めるしかない、と思いはじめていました。
しかし自分がHSPだと知ることで、この考えも変わりました。
これまで仕事で評価されるにはスピードと精神的なタフさが絶対必要で、考えるのに時間がかかったり、精神的に疲れ切ってしまったりする自分=ダメなやつだと思いこんでいたのが、「考えるのに時間はかかるけれど、インスピレーションがよく浮かび、レベルの高い成果物を出せる。それが私だ」と思えるようになったのです。そして、それを活かせるような仕事につくべきだとも。
HSPを人に伝えるということ
私は上司に(HSPという言葉は出しませんでしたが)次のような話をしました。
・ものごとを素早く考えることができず、タイトなスケジュールや一度に複数のことが降りかかると精神的にすごく無理をすることになる。
・今の業務はスピードが求められ頭を無理にフル回転させているので仕事後は非常に強い疲労感に見舞われてしまい、プライベートを楽しむ余力がなくなっている。
そして、きっと求められるスピードには達することもできないので、仕事を辞めることを考えていると。
すると上司は意外にも、「人員を増やして作業量を減らしたら負担は減るか?」「今の作業時間で7~8割の仕事量にするのはどうか?」など、どうすればスピードアップできるかではなく、どうすれば負担をかけないかという提案してくれたのです。私の性質を理解してくれたうえで、作業スピードよりも仕事の内容を評価してもらえたのでした。
もちろん私の場合は上司に恵まれているということもあるでしょうが、それでも自分のことがダメなやつだと思ったままだったら、他の理由をつけて辞めていたはずです。
いま、仕事は作業量を減らして続ける方向で考えています。
HSPという性質によって強いストレスがかかっているなら、そしてその状況を変えたいと思っているなら、まずは自分の性質を受け入れてあげることです。そうすることで初めて、自分にとって適した場所はどこか?向いているものはどんなものか?を探していけると思うのです。
自分はダメなやつ、と思ったままでは、環境を変えてうまくいかなかったときのダメージが本当に大きいです。でも自分を受け入れられていたら、「ここは私には合わなかったなぁ」と思えます。
HSPの人は我慢が足りないわけでも、怠けているわけではありません。でもタフな人とはどうしても同じようにできないです。
私もこれがずっとずっとコンプレックスでしたが、そういうものなんです。仕方ないです。
現在周りの人との関係がよければ、自分の性質を伝えて一緒に状況改善をしてもらいたいところです。HSPの人はすごく控えめなので、これくらいわがままになっても罰はあたりません。
しかし、もちろん受け入れてもらえない場合もあると思います。それならば、HSPの能力を発揮できる環境に移ったほうがよいです。一度きりの人生ですから、無理をしてすり減らすことはありません。
HSPの人は繊細で気配りもできるので(逆に気を遣いすぎる)、職場でも学校でも嫌われていることは少ないのではないでしょうか。きっとあなたの話に耳を傾けてくれる人がいると思います。
HSPの子供に対して
大人は自分で状況改善をしていくことができますが(もちろん簡単じゃないですが)、HSPの子供は本当に苦労していると思います。
職場は変われるけれど、学校はなかなかそうはいかないからです。
そしてもし不登校になってしまったら…。
いっそフリースクール?あるいはホームスクーリング?など、いろいろ考えられる方法はありますが、結局自分をダメだと思ったままではうまくいかないです。
私も小学校で一時不登校になりフリースクールに通っていましたが、劣等感のかたまりだったので、フリースクールだったら自由にのびのびやれるかといったら全くそんなことはありませんでした。
だから、まずは親が「みんなと同じにできないことはダメじゃない。繊細すぎることはダメじゃない」と伝えてあげることが必要だと思います。
子供にとって、みんなが普通に通っている学校に行けないのって本当に辛いことです。だから毎日毎日しつこくしつこく、あなたはダメじゃないということを伝えてあげなくてはいけません。
フリースクールとかは、その先です。
意地悪を言われたら言い返しなさい、
先生からの質問にはすぐにハキハキと答えなさい、
課題は授業時間内に終わらせなさい、
発表会では大きな声を出しなさい、
もたもたしないで皆と同じスピードで行動しなさい
どれもHSPには難しいけれど、どれも親や先生や学校に求められがちなことです。
自分の子供がすごく敏感なタイプかもしれないと思ったら、まず何も求めずに受け入れてあげてほしいと思います。
さいごに
HSPの生き方(というか私の生き方)について、思ったことをつらつらと書き連ねてしまいました。同じHSPの方にとって何か良いキッカケになったらこれ以上嬉しいことはありません。
私が読んだHSPの本は下記ですが、他にもたくさんの本を読んで、もっとHSPについて知っていきたいと思います。そうしたら、またつらつらと語らせてください。
引用:Amazon
《おわり》